2018年03月08日

マンションの「専ら住宅として使用」の意義

「マンションとは2以上の区分所有者が存する建物で、人の
住居の用に供する専有部分のあるもの、並びにその敷地及び
附属施設をいう」とマンション管理適正化法は規定していま
す。

簡単に言うと100戸の区分所有建物で99戸が事務所又は
店舗であっても、1戸だけでも住戸があればマンションなの
です。

ちなみに、実体法である区分所有法はどうなっているかと言
えば、マンションという言葉は一切無く、店舗や事務所だけ
で住戸がなかろうが、住戸のみだろうが等しく区分所有建物
として規制しています。

つまり、一つの建物に専有部分が複数あれば区分所有建物な
ので区分所有法の規定に従わなければならないということで
す。

従って、法律的には上記の二つの法律を適用すれば二世帯住
宅はマンションであり、区分所有建物なのです。

大多数のマンションにおいて採用されている、国土交通省が
作成した標準管理規約には「その専有部分を専ら住宅として
使用する・・・・」と定めていて、皆さん何の疑問も抱かず
この規定はマンションだから法律によって規制された当然の
規定を盛り込んでいると思っているかと思います。

しかし、法律の観点からはそれは間違いです。専有部分は
私有財産であり、他人に迷惑が及ばない限り使用は全く自由
です。

それでは、ここである仮題を設定して考えてみましょう。

ある住戸の住人がマンションの専有部分において内職をはじ
めました。これは標準管理規約の立場からは違反行為なので
しょうか?

勿論、内職というのは雇用契約には当たりません。

請負契約です。

従って最低賃金も社会保険の加入も適用外です。

そうするとこれは純然たる自営業ですよね?

それはまさしく標準管理規約の禁止規定に触れるのではない
でしょうか?

それでは、余りにも現実の社会常識に反する結果となります
よね?

それでは、原点に返ってみますと、標準管理規約が前述のよ
うに専有部分の使用制限を設けているのは、生活の本拠であ
るマンションの住戸に様々な業者や顧客が頻繁に出入りする
ことによって、住民の生活の平穏を乱すことを危惧したから
に他なりません。

そう解釈すると次のような条件を充たせば標準管理規約には
反しないと考えるべきです。

@区分所有者又は賃借人等が現に、その住戸で生活している。
A住戸の一部分(例えば、一部屋)を事務所又は作業場とし
  ている。
B外部の者(業者や顧客)が滅多に出入りしない。

このように考えると、内職は勿論、単に一部分を事務所とし
て使用し、他の専有部分の迷惑とならない限り許容されると
考えることが妥当でしょう。
posted by 橋マンション管理士事務所 | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律/判例
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